障害者の雇用の促進に関する法律の一部を改正する法律案の概要
障害者の雇用の促進に関する法律の一部を改正する法律案の概要
〜意欲・能力に応じた障害者の雇用機会の拡大〜
趣旨
1.障害者の就労意欲の高まり
求職件数:7.8万(H10)→10.4万(H18)
就職件数:2.6万(H10)→ 4.4万(H18)
地域の身近な雇用の場である中小企業での障害者雇用が低下傾向
(大企業では増加傾向)
※ 実雇用率は、100人〜299人規模の企業が最も低い状況
2.短時間労働への対応
福祉から雇用への移行が進められ、また、高齢障害者がフルタイムで働くことが困難な場合がある中、短時間労働に対する障害者のニーズが相当程度あるのに対し、現行制度は対応できていない。
事業主の雇用義務としては、現行法は週30時間以上の常用雇用を基本
短時間労働者の雇用者の受入れのインセンティブが乏しい。
改正内容
1.中小企業における障害者雇用の促進
@障害者雇用納付金制度の適用対象の範囲拡大
障害者雇用納付金制度(納付金の微収・調整金の支給)が適用される対 象範囲を常用雇用労働者101人以上の中小企業に拡大
(一定期間は、常用労働者201人以上の中小企業まで拡大)
※ 現行は経過措置により301人以上の事業主のみ
A雇用率の算定の特例
中小企業が、事業共同組合等を活用して、共同で障害者を雇用する仕組みを創設
※ 事業共同組合等が、共同事業として、障害者を雇用した場合に、当該組合等と組合員企業とをまとめて雇用率を算定
※ 併せて、中小企業に対する支援策を充実、経過措置として負担軽減措置を
実施
2.短時間労働に対応した雇用率制度の見直し
障害者の除用義務の基礎となる労働者及び雇用障害者に、短時間労働者
(週20H以上30H未満)を追加
3.その他
特例子会社がない場合であっても、企業グループ全体で雇用率を算定するグループ適用制度の創設
施行期日
1.@…平成22年7月1日
(101人以上企業への拡大については、平成27年4月1日)
・2.…平成22年7月1日
平成21年4月1日試行予定。ただし、
中小企業における障害者の雇用の促進
¢ 全体の雇用状況は着実に進展している一方、中小企業では低調
・実雇用率が近年大幅な低下。特に100〜299人規模の企業は、企業規模別で最低(1.30%)。
・ 障害者雇用に関する考え方についても、企業規模300人を境とした違いがみられるところ。
¢ 中小企業における障害者雇用の促進の必要性
・ 我が国の企業数の大半を占める中小企業において、障害者の雇用の場を確保することは重要であり、また、中小企業は、障害者に対し、雇用の場を提供することができる地域の主要な担い手としても重要だが、中小企業における障害者雇用の状況が低い水準にあり、中小企業における障害者雇用の促進が必要。
¢ 障害者雇用給付金制度の現状
・ 納付金は、障害者雇用促進上、本則においては、すべての事業主が雇用する労働者の数に応じて平等に負担することとされているが、附則において、当分の間の暫定措置として、300人以下の規模の企業からは微収しないこととされている。
¢ 障害者の短時間労働について
短時間労働に関する障害者のニーズ
・障害者の求職者の38.8%、授産施設等利用者の45.7%が、短時間労働(週30時間未満)を希望。
・ また、障害程度が重い程、短時間労働を希望
(重度45.3%、軽度33.3%)
障害者雇用における短時間労働の位置づけ
・ 障害の特性や程度、加齢に伴う体力等の面での課題に対応する就業形態として、有効。
・ 福祉的就労から一般雇用へ移行していくための段階的な就業形態として有効。
現行の障害者雇用率制度の対象範囲
週30時間以上 週20〜30時間
(短時間労働者)
身体障害者 ○ −
重度 ◎ ○
知的障害者 ○ −
重度 ◎ ○
精神障害者 ○ △
週所定労働時間が30時間以上の労働者が、法定雇用障害者数の算定の
基礎となる。
短時間労働者については、重度の身体障害者・知的障害者と精神障害者
が、実雇用率のカウント対象となっている。
※◎ダブルカウント、○1カウント、△0.5カウント
¢ 特例子会社がない場合の企業グループに対する障害者雇用率制度の適用
特例子会社を持たない場合でも、一定の要件の下で、グループ全体を親会社に合算して実雇用率を算定する。
¢ 地域障害者職業センターの業務の追加
地域障害者職業センターの専門性とノウハウを活かして、地域の就労支援機関に対する助言・援助等の業務をセンターの基幹業務の一つとして新たに位置づけ、地域の就労支援力の底上げを図る。
¢ 除外率の引下げ
除外率制度…障害者の就業が一般的に困難であると認められる業種について、雇用する労働者数を計算する際に、除外率に相当する労働者数を控除する制度
(障害者の雇用義務を軽減)
ノーマライゼーションの観点から、平成16年4月に廃止。
ただし、経過措置として、当分の間、除外率設定業種ごとに除外率を設定するとともに、廃止の方向で段階的に除外率を引下げ、縮小することとされている (法律附則)。
※ 16年4月の引下げ…建設業・鉄鋼業:40%→30%
鉄道業・医療業:50%→40%
道路旅客運送業:75%→65%
船舶運航事業:100%→90%
除外率制度については、法律の規定等に沿って、段階的に引き下げ、廃止を目指すという基本的方向に基づき、今回、一定の引下げを行うことが適当。
¢ 障害者権利条約の締結に向けた対応
障害者権利条約…障害者の人権及び尊厳を保護・促進するための包括的総合的国際条約
障害者権利条約の締結に向けて、雇用・労働分野における、
・ 差別禁止
・ 合理的配慮の提供
等について、労使、障害者団体等を含めて、考え方の整理を早急に開始し、必要な環境整備などを図っていくことが適当。